五月三十五日

どんな自分なら許せるのか、どんな人生であれば引き受けられるのか

雪組 全国ツアー公演『愛するには短すぎる/ジュエル・ド・パリ!!』

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https://kageki.hankyu.co.jp/sp/revue/2023/aisurunihamijikasugiru/index.html

これを言うと元も子もないが、サヨナラ公演を頻繁に再演するのってどうなんだろう…

とはいえ、名作だからこそ再演を重ねられるし、結構久しぶりの再演だったりする。個人的には星組再演がベストな人です。

 

改めて見ると、陳腐な感想ながら原案の小林公平氏、作演の正塚先生、すごいなーと沁み入ってしまう作品である。ひとつひとつの言葉がとても綺麗。個人的にはバーバラの「あなたの優しさがズタズタになるよ」は結構好き。初演の湖月わたるさんが最後背中を見せて去っていく時、ファンは感涙したんだろうなーと思いました。見たかったなぁ。

正塚先生は大劇の登板が久しくないイメージですが、(来年月組あるけど)ブラックジャックといい、カナリアといい個人的にはものすごく好きな演出家さんです。カナリア、再演しないかなーー星組あたりで。

 

咲ちゃんフレッドはなんだか最初はセリフが嘘くさく感じることがあったけれど、真面目で実直な御曹司っぷりがはまっていた。アンソニーに返事しなかったり、オサリバンに翻弄されたり。

「くそ、呪われろ!」はさらっと流されて、このワード結構好きだったのに、と思ったりした。シェケナベイベは古いよね…時代を感じる…

アンソニーあーさ、バーバラあやもそれぞれの持ち味が生きたハマり役。

 

他はドリーのはばまい、オサリバンのりんきらが目立っていた。ドリーは、再演のわかばや再再演のゆめちゃんより、おバカちゃんではなく、なんか可愛かった。

………が!1番今回良かったのはしゅわっち!!これは、ずっと思っているけど、雪組はしゅわっちをもっと出すべき。前回の別箱の活躍ぶりもさることながら、今回のコメディーのワンシーンのみがもったいないくらい、色気が!!?!!

一方、大役フランクを射止めた期待の華世くんは後で配役を見て華世くんだったのか!!と思ったくらい、なんだかぼやっとした印象だった。

あと、船長にくっついている男役さんが背が高くて爽やかな印象だったんだけど、誰だったのだろう…あれが華世くんかと思っていた。咲ちゃんがビシビシ鍛えているとgraphで言っていたので、今後に期待笑

可愛いからという理由で注目していた愛空みなみちゃん、どれか分からず…この作品は目立つ配役が少なく、ほぼモブ状態なのが残念なところ。

 

最後はあやが涙を拭くくらいの熱演。26歳設定であることを初めて知りましたが、順風満帆な受け身の人生を送ってきた青年と、夢破れた女性がせめて船を降りるまでは愛していると言わせてほしい、という切ない感情は夕焼けのバックも相まってひどく感じ入るところがあった。あそこの影が綺麗です。2人の感情が語られずただただ無言で向こうを見つめるという贅沢な使い方。なかなか大劇では見られない演出なんじゃないだろうか。

 

船上って不思議。『偽のデュー警部』できるじゃん!と思ったけど、あれは男が禄でもないからダメか…

 

ショー『ジュエル・ド・パリ!!』はなんだかコンセプトがわからないショー。大劇版を見ていないので、余計訳がわからない…

最初、咲ちゃんが小林幸子ばりの衣装で登場した時はどうしようかと思った。

中詰めのはばまいのかわいさはやはり経験値がある分輝いていた。見ちゃうって!!あとは…………安定のしゅわっち。なんとなーく歌のメンツが弱そうな中、歌もダンスも目立つし、男くさく光りまくっていた。俺を見ろー!!というオーラがバシバシ出ていた。

 

最後らへんの黄色い衣装のシーン?でりんきらと咲ちゃんが並んだ時、は!!これは雪組ロミジュリ新人公演のメンツではないか!!と突然気づき、動揺。りんきらが雪組から出て久しいので、なんか昔に戻ったようで懐古厨は喜んだ。

衣装は全体的に素敵だったけど、なぜここでエジプトなのか?!とか、パリならほかにないのか???とかは思った。

 

全国ツアー恒例の紹介で、鎌倉市出身のあーさが紹介された瞬間、なんかすごいチャラいスターを見た気がした。なんなんだこの人は。天性の人たらしか??

 

余談。

当然、双曲線上のカルテ再演を嬉しく思っていて、初日映像見たらこんな主題歌だったのか!と。(ただ、忘れていただけ)沙那ちゃんとそらのデュエットも美しく、代演の眞之宮くんの好演、歌うまがしっかり披露されていて、不幸中の幸いというべきか。

アントニーオは初演より出番が多いみたいですね!^ ^翔さんとあみちゃんの親子も素敵だったなぁと思い出した。